佐久医療センター CVCマニュアルv1.8 佐久医療センター CVCマニュアルは、副院長、診療部長、医療安全管理室長、看護部長室、ICT、診療放射線技師、CVCに関与する主だった診療科医師をメンバーとするCVC管理委員会 […]
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佐久医療センター 中心静脈カテーテル挿入・管理:看護基準
佐久医療センター 中心静脈カテーテル挿入・管理 看護基準 CVCの処置介助や管理に関して、看護部にはそれに特化したマニュアルが必要とされます。実際にはつねに参照するものではなく、あまり活用されないものかもしれませんが、何 […]
いろいろなマニュアル/ガイドライン
これまで公表されたCVCのマニュアル、ガイドライン、テキストでは、CVCの実施体制についてどのように記載されているでしょうか。以下、目についたガイドライン等とその抜粋/要約をあげました。 up to date https […]
エコーガイド下穿刺によるCVCとは
CVCとは CVC(Central Venous Catheterization;中心静脈カテーテル留置術)はごく一般的な医療処置なので、医療関係者の皆さんにとってはなじみがありますが、患者さんのところへ術前説明にうかが […]
CVCの事故報道事例とその分析
CVCに関連する事故報道の一覧 2001年2月から2019年5月までに、わたし個人としてはCVC関連の新聞やwebニュースによる事故報道事例は57件確認しています。平均年3件です。驚くことにほとんど死亡事例です。これが多 […]
中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析 ー第1報ー :解説
はじめに 平成29年3月に、一般社団法人 日本医療安全調査機構 医療事故調査・支援センター(以下医療事故調:https://www.medsafe.or.jp/)から、医療事故の再発防止に向けた提言第1号として、中心静脈 […]
安全なCVC実施体制の条件
「CVCの事故報道事例とその分析”と“中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析 ー第1報ー 解説」で考察したように、 動脈穿刺を防止する対策 穿刺成功後のガイドワイヤー、ダイレータ、カテーテルの正常留置確認 は、CVCの安全体 […]
CVCの合併症;リスク予知分析(PRA)について
CVCを安全に実施するためには、何が危険か、どう予防するのかという視点が必要です。問題の対象がなんであるかがはっきりと見えていなければ、対策の立てようがないからです。ここではリスク予知分析(PRA;predictive […]
1. 気胸
原因・機序 鎖骨下・鎖骨上・頚部からのアプローチで、試験穿刺針又は本穿刺針の針によって肺の臓側胸膜以深を穿刺し、胸腔内に空気が漏出・貯留する。 内頚静脈穿刺で、体幹に近い部位または浅い穿刺角度で深く穿刺し、肺尖を穿刺する […]
2. 動脈穿刺・動脈カニュレーション
原因・機序 試験穿刺または本穿刺において動脈を誤穿刺する。その後カテーテルを動脈に挿入した場合は動脈カニュレーションとなる。 静脈を穿刺した後、静脈の後壁穿刺となり、その背側にある動脈まで穿刺する。 静脈を穿刺しガイドワ […]
3. 血胸
原因・機序 穿刺時、ガイドワイヤー挿入時、ダイレータ挿入時、カテーテル挿入時のどこかの段階で、静脈または動脈を損傷し胸腔内に出血する。 胸腔内は低圧腔であるため、胸腔内に出血した血液は静脈性出血であっても大量に貯留しやす […]
4. カテーテル位置異常・迷入
原因・機序 カテーテル先端が中心静脈以外の静脈(外頚静脈、内胸静脈、心膜横隔膜静脈、上肋間静脈、奇静脈、半奇静脈、副半奇静脈、下腹壁静脈、浅腹壁静脈、頚静脈弓、椎骨静脈、上行腰静脈など)内や、縦隔、右房、右室、動脈、胸管 […]
5. 血管損傷・血管外漏出
原因・機序 カテーテル先端が細い分枝に迷入するか血管壁へ接触していることで、浸透圧の差やカテーテル先端の機械的刺激と高浸透圧性輸液による化学性の刺激が血管壁のびらんを引き起こし、それにより血管外に輸液が漏出する。 細静脈 […]
6. カテーテル・ガイドワイヤー・スタイレット遺残
原因・機序 ガイドワイヤーにカテーテルを通して留置する際、ガイドワイヤーの存在を失念し、ガイドワイヤーを抜去せずカテーテルを留置してしまう。セルジンガー法についての知識が不足していることが原因となる。 スタイレット(金属 […]
7. 後腹膜血種
原因・機序 鼡径部からのアプローチで、大腿動脈や周辺の動脈(外陰部動脈など)の誤穿刺や血管損傷から後腹膜に出血して貯留する。 抗凝固療法中、凝固異常、出血傾向では重篤化する場合がある。 鼡径靱帯付近あるいはそれより頭側か […]
8. 心タンポナーデ
原因・機序 ガイドワイヤーやカテーテル先端(肺動脈カテーテルを含む)が心嚢の領域内で上大静脈・右房壁・右心室壁・上行大動脈壁のいずれかを穿通し輸液または血液が心嚢内に貯留する。 高浸透圧溶液が血管外に漏出し、輸液または血 […]
9. 胸腔内輸液
原因・機序 カテーテル挿入時に先端が胸腔内に留置された状態で輸液を開始する。 カテーテル留置中にカテーテル先端の機械的移動(内頚または鎖骨下から挿入されたカテーテル先端は、成人では頭、首、呼吸によって2cm動く)や高浸透 […]
10. 肺動脈損傷
原因・機序 Swan-Ganzカテーテル(肺動脈カテーテル)先端で肺動脈を損傷する。 肺動脈カテーテルのウェッジバルーンが肺動脈血管壁を圧損傷するか、肺動脈血流を途絶させる。 ウェッジバルーンを脱気したときに、先端が血管 […]
11. 気管損傷
原因・機序 頚部_内頚静脈穿刺、鎖骨下_腋窩静脈穿刺、鎖骨上_鎖骨下静脈穿刺で深く穿刺し、穿刺針が気管を穿刺する。 ダイレータ、シースイントロデューサーなどが後縦隔に刺入され、気管支に穿通し、カテーテルが誤留置される。 […]
12. 神経損傷
原因・機序 ①腕神経叢傷害:内頚静脈穿刺または鎖骨下穿刺の際に、腕神経叢を直接穿刺することで発生する。または頚部の血腫・仮性動脈瘤・動静脈ろうによる圧迫による。椎骨静脈に迷入したカテーテルから投与した薬剤による傷害、局所 […]
13. 乳び胸
原因・機序 胸管を穿刺針やガイドワイヤーで傷つけ乳びが胸腔内に流入する。 右側からのアプローチでも発生することがある(胸管は細いが右側にもある)。 上大静脈やそれに近い静脈が血栓閉塞しリンパ管の圧が高まり乳びが胸腔内に流 […]
14. リドカインショック
原因・機序 局所麻酔薬によるアナフィラキシーショック(Ⅰ型アレルギー反応)。 合併症が発生したことを示す所見 投与後数分以内に呼吸困難、血圧低下、頻脈、喘鳴、便意、胸部不快感、口唇のしびれ、口内異常感、悪心、皮膚発赤、蕁 […]
15. 不整脈
原因・機序 ガイドワイヤー、カテーテルが右房・右室壁・AV nodeに接触し多彩な不整脈を誘発する。 もともと左脚ブロックがあった場合、右脚ブロックを併発すると完全右脚ブロックになる場合がある。 R on TからVT/p […]
16. 失血
原因・機序 カテーテルと輸液ラインの接続の外れ、三方活栓の長時間の開放、カテーテル自己(事故)抜去、カテーテル切断、カテーテル抜去後の止血不備や安静保持不足による持続的出血などにより、血液が体外へ流出する。 抗凝固療法、 […]
17. カテーテル関連血流感染;CRBSI
原因・機序 挿入部における皮膚細菌の、皮下のカテーテル経路への移動と、カテーテル先端部の菌の定着から血中に細菌が検出される。 カテーテルのハブの汚染により内腔で菌の定着が起る。 他の感染病巣からカテーテルに血行性の播種が […]
18. 真菌性眼内炎
原因・機序 CVカテーテル留置中に発生した播種性真菌症から眼内に真菌が感染する。 長期留置(数週間以上)で発生しやすい傾向にあるが、数日で発症する場合もある。 合併症が発生したことを示す所見 CVCの留置歴と先行する播種 […]
19. 血栓症
原因・機序 留置カテーテル周囲に血栓が形成される。 CVカテーテルによる機械的刺激や血管炎から血管内膜が障害され、サイトカイン放出、血液凝固システムの活性化によるフィブリン形成を経て血栓が形成され増大する。 カテーテル留 […]
20. 空気塞栓
原因・機序 CVカテーテル等(Swan-Ganzカテ-テル、透析用カテーテル、血管アクセス用シースなどを含む)の穿刺挿入時に大気圧に開放された穿刺針、カニューラ、カテーテル、シースから空気が静脈に流入する。胸腔内は陰圧で […]
21. 気道閉塞
原因・機序 頚部、鎖骨下、鎖骨上から穿刺した際に動脈穿刺となり、巨大血種が形成されることで気道を圧迫し換気不能になる。 動脈カニュレーションとなった後にカテーテルをそのまま抜去し、血種が形成される。特に透析用カテーテルな […]
3. 説明と同意、術前診察
ポイント:IC(インフォームドコンセント;説明と同意)は同意の形成、マナーの問題、医療記録、紛争対策という意味だけでなく、CVCのパフォーマンス向上を促進するひとつの仕掛けである。 説明書・同意書 書式例 CVCのICで […]
5. 体位取り、プレスキャン
ポイント:CVC実施中の体位はTrendelenburg体位にこだわる必然性はない。 体位取りの考え方と方法 CVC実施中の体位は、上半身からのアプローチであれば血管の拡張と空気塞栓予防目的で15°程度の頭低位・骨盤高位 […]