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webmasterさんの記事一覧
「医療安全」の違和感
2023年12月20日投稿 『「医療事故調査制度」における組織としての再発防止への取り組み~貴重な事例の教訓をどう活かすか~』と題した、第4回医療事故調査・」支援センター主催研修を、先日オンデマンド配信で視聴しました(h […]
中心静脈カテーテル挿入・抜去に係る死亡事例の分析―第2報(改訂版)―:前説
2023年6月9日投稿 医療事故調からCVCに関する提言第2報提言17が今年2023年3月に公表されました。全部で44例のCVC関連死亡事故事例を分析し、前回の第1報を整理補足する改訂版となりました。それを読み込んで全く […]
中心静脈カテーテル挿入・抜去に係る死亡事例の分析―第2報(改訂版)―:解説
はじめに 2023年3月に、一般社団法人 日本医療安全調査機構 医療事故調査・支援センター(https://www.medsafe.or.jp/)から、医療事故の再発防止に向けた提言第17号、「中心静脈カテーテル挿入・抜 […]
静脈解離は幻の珍獣か
2022年10月5日投稿 CVカテーテルのSMACを製造販売しているCardinal Healthの営業マンから、「動脈解離は知ってますが静脈解離ってあるんですか」という問い合わせがありました。ある病院で、CVカテを入れ […]
鼡径部の穿刺はブラインドか、エコーか
2022年5月31日投稿 エコーガイド法が広まり始めた当初から、このテーマで論争がありますね。 ブラインド派は、鼡径の大腿静脈穿刺なんかブラインド(ランドマーク法)で簡単に穿刺できる。成功率も高いし、早い。緊急時にはエコ […]
事故処理の変化
2022年4月19日投稿 CVCでは合併症をゼロにすることはできない、とよくいわれます。その通りと思いますができるだけゼロに近づける努力が大切です。不運にも合併症が発生した場合には、責任問題や補償の問題、ときに法的問題に […]
CVCトラブルシューティング・マニュアル
Cardinal Health社に“Novellus”という社内誌があり、そのNovellus 2021 Mar vol.33で、CVCで発生する可能性がある合併症についてまとめました。その冊子の特徴としてまず、CVC […]
CVCの事故報道事例とその分析
CVCに関連する事故報道の一覧 2001年2月から2019年5月までに、わたし個人としてはCVC関連の新聞やwebニュースによる事故報道事例は57件確認しています。平均年3件です。驚くことにほとんど死亡事例です。これが多 […]
中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析 ー第1報ー :解説
はじめに 平成29年3月に、一般社団法人 日本医療安全調査機構 医療事故調査・支援センター(以下医療事故調:https://www.medsafe.or.jp/)から、医療事故の再発防止に向けた提言第1号として、中心静脈 […]
安全なCVC実施体制の条件
「CVCの事故報道事例とその分析”と“中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析 ー第1報ー 解説」で考察したように、 動脈穿刺を防止する対策 穿刺成功後のガイドワイヤー、ダイレータ、カテーテルの正常留置確認 は、CVCの安全体 […]
CVCエキスパートセミナー
2022年3月2日投稿 2005年から院内と院外とをあわせて、また学会のランチョン/イブニングセミナーなどを含めて、約150件のCVC研修講師を務めさせていただきました。CVCの安全対策and/or技術指導で、講演だけの […]
CVCの合併症;リスク予知分析(PRA)について
CVCを安全に実施するためには、何が危険か、どう予防するのかという視点が必要です。問題の対象がなんであるかがはっきりと見えていなければ、対策の立てようがないからです。ここではリスク予知分析(PRA;predictive […]
1. 動脈誤穿刺
原因・機序 試験穿刺または本穿刺において動脈を誤穿刺する。 エコーガイド下穿刺の失敗による誤穿刺。 •anomalyの認識不足により動静脈を誤認する。 静脈を穿刺した後、静脈の後壁穿刺となり、その背側にある動脈まで穿刺す […]
2. 動脈カニュレーション
原因・機序 試験穿刺または本穿刺において動脈を誤穿刺し、それに気づかずカテーテルを動脈に挿入する。 静脈を穿刺しガイドワイヤーが静脈内に挿入留置されたあと、ダイレーターでガイドワイヤーごと動脈まで穿通してしまう。 動脈を […]
3. 血胸
原因・機序 穿刺時、ガイドワイヤー挿入時、ダイレータ挿入時、カテーテル挿入時のどこかの段階で、静脈または動脈を損傷し胸腔内に出血する。 胸腔内は低圧腔であるため、胸腔内に出血した血液は静脈性出血であっても大量に貯留しやす […]
4. 後腹膜血種
原因・機序 鼡径部からのアプローチで、大腿動脈や周辺の動脈(外腸骨動脈、外陰部動脈、閉鎖動脈など)の誤穿刺や血管損傷から後腹膜に出血して貯留する。 大腿静脈から挿入したガイドワイヤーやカテーテルで血管を損傷し後腹膜に出血 […]
5. 縦隔血腫
原因・機序 カテーテルによる上大静脈の血管損傷から縦隔に出血する。 細静脈、内胸動脈へのカテーテル位置異常からの血管損傷により縦隔に出血する。 ガイドワイヤーが内胸動脈へ迷入・穿通し縦隔に出血する。 鎖骨下動脈等の動脈誤 […]
6. 皮下血腫
原因・機序 動脈誤穿刺によって皮下に血液が貯留する。 出血傾向により静脈性の出血が持続し皮下に貯留する。 動脈誤穿刺後の圧迫止血が不十分で、時間がたってから血種が増大する場合がある。 動脈カニュレーションを抜去した後に皮 […]
7. 神経損傷
原因・機序 ①腕神経叢傷害:内頚静脈穿刺または鎖骨下穿刺の際に、腕神経叢を直接穿刺することで発生する。または頚部の血腫・仮性動脈瘤・動静脈ろうによる圧迫による。椎骨静脈に迷入したカテーテルから投与した薬剤による傷害、局所 […]
8. 気道閉塞
原因・機序 頚部、鎖骨下、鎖骨上から穿刺した際に動脈穿刺となり、巨大血種が形成されることで気道を圧迫し換気不能になる。 動脈カニュレーションとなった後にカテーテルをそのまま抜去し、血種が形成される。特に透析用カテーテルな […]
9. 気胸
原因・機序 鎖骨下・鎖骨上・頚部からのアプローチで、試験穿刺針又は本穿刺針の針によって肺の臓側胸膜以深を穿刺し、胸腔内に空気が漏出・貯留する。 内頚静脈穿刺で、体幹に近い部位または浅い穿刺角度で深く穿刺し、肺尖を穿刺する […]
10. 挿入部感染
原因・機序 カテーテル挿入部に感染が成立する。 感染、熱傷、汚染、皮膚の脆弱性などがある部位からの穿刺挿入はリスクが高い。 合併症が発生したことを示す所見 カテーテル挿入部に腫脹・硬結・排膿・発赤・疼痛・熱感などの炎症所 […]
11. カテーテル関連血流感染;CRBSI
原因・機序 挿入部における皮膚細菌の、皮下のカテーテル経路への移動と、カテーテル先端部の菌の定着から血中に細菌が検出される。 カテーテルのハブの汚染により内腔で菌の定着が起る。 他の感染病巣からカテーテルに血行性の播種が […]
12. 空気塞栓
原因・機序 CVカテーテル等(Swan-Ganzカテ-テル、透析用カテーテル、血管アクセス用シースなどを含む)の穿刺挿入時に大気圧に開放された穿刺針、カニューラ、カテーテル、シースから空気が静脈に流入する。胸腔内は陰圧で […]
13. 不整脈
原因・機序 ガイドワイヤー、カテーテルが右房・右室壁・AV nodeに接触し多彩な不整脈を誘発する。 もともと左脚ブロックがあった場合、右脚ブロックを併発すると完全右脚ブロックになる場合がある。 R on TからVT/p […]
14. カテーテル位置異常/迷入
原因・機序 カテーテル先端が中心静脈以外の静脈(外頸静脈、内胸静脈、心膜横隔膜静脈、上肋間静脈、奇静脈、半奇静脈、副半奇静脈、下腹壁静脈、浅腹壁静脈、頸静脈弓、椎骨静脈、上行腰静脈など)内や、縦隔、右房、右室、動脈、胸管 […]
15. 心タンポナーデ
原因・機序 カテーテル留置の過程で、ガイドワイヤーやカテーテル先端(肺動脈カテーテルを含む)が心嚢の領域内で上大静脈・右房壁・右心室壁・上行大動脈壁のいずれかを穿孔し輸液または血液が心嚢内に貯留する。 遺残したガイドワイ […]
16. 胸腔内輸液
原因・機序 カテーテル挿入時に先端が胸腔内に留置された状態で輸液を開始する。 カテーテル留置中にカテーテル先端の機械的移動(内頚または鎖骨下から挿入されたカテーテル先端は、成人では頭、首、呼吸によって2cm動く)や高浸透 […]
17. リドカインショック
原因・機序 局所麻酔薬によるアナフィラキシーショック(Ⅰ型アレルギー反応)。 合併症が発生したことを示す所見 投与後数分以内に呼吸困難、血圧低下、頻脈、喘鳴、便意、胸部不快感、口唇のしびれ、口内異常感、悪心、皮膚発赤、蕁 […]
18. 気管損傷
原因・機序 頚部_内頚静脈穿刺、鎖骨下_腋窩静脈穿刺、鎖骨上_鎖骨下静脈穿刺で深く穿刺し、穿刺針が気管を穿刺する。 ダイレータ、シースイントロデューサーなどが後縦隔に刺入され、気管支に穿通し、カテーテルが誤留置される。 […]
19. 仮性動脈瘤
原因・機序 動脈誤穿刺または動脈カニュレーションによって動脈壁が破綻したことにより、動脈から漏れ出た血液が瘤を形成する。 合併症が発生したことを示す所見 神経損傷(反回神経の圧迫損傷)⇒嗄声 頚部違和感 聴診で特有の雑音 […]
20. 動静脈ろう
原因・機序 動静脈を同時に穿刺してしまうことにより両者に異常な交通が形成される。 血管深度に比し、不必要な長針で穿刺することがリスクとなる。 合併症が発生したことを示す所見 聴診で特有の雑音(brui)が聴取される。 触 […]
21. 乳び胸
原因・機序 胸管を穿刺針やガイドワイヤーで傷つけ乳びが胸腔内に流入する。 右側からのアプローチでも発生することがある(胸管は細いが右側にもある)。 上大静脈やそれに近い静脈が血栓閉塞しリンパ管の圧が高まり乳びが胸腔内に流 […]
22. 血管損傷
原因・機序 カテーテル先端が機械的に血管壁を穿孔し輸液が血管外へ漏出する。 上半身左側(左内頸静脈、左腋窩静脈、左上腕PICC)は、カテーテル先端がSVCの壁に垂直に当たりやすく、物理的化学的に穿孔するリスクが高くなる。 […]