CVCとは

CVC(Central Venous Catheterization;中心静脈カテーテル留置術)はごく一般的な医療処置なので、医療関係者の皆さんにとってはなじみがありますが、患者さんのところへ術前説明にうかがうと、たいていの方は聞いたことがないとおっしゃいます。意外に知られていないようです。そこでまず、佐久医療センターで私が患者さんに説明するように、CVCとはなにかをわかりやすく解説したいと思います。

中心静脈とはどこの血管ですか?
心臓に近い、太い静脈のことで、上大静脈と下大静脈をあわせて中心静脈と呼んでいます。

(出典:ニュートリー株式会社

中心静脈カテーテル留置術とはどのような処置ですか?
おもに上大静脈に点滴の管であるカテーテルを挿入し留置する処置です。つまり、心臓に近い太い静脈まで、点滴の管(カテーテル)を挿入して留置するという処置になります。すると体の中には13~15cm程度挿入されることになります。ここがまず、ふつうの末梢静脈カテーテルとは異なる点です。


カテーテル自体は1.5~2.5mmと、それほど太くはありませんが、管が一本だけのものや三本がひとつになったものなど、 種類があります。


中心静脈カテーテルはどのようなときに必要になりますか?
細い血管からは入れられない薬剤・点滴を入れる場合に必要になります。たとえば抗がん剤、高カロリー栄養、強心剤など特殊な薬剤を投与する時です。手足の静脈から点滴がとれないときも必要になることがあります。医療処置としては比較的よく行われている一般的な処置です。
中心静脈カテーテルはどこから挿入しますか?
鎖骨の下、首、鼡径、上腕などから挿入します。状況に応じて選択します。細い針で血管を穿刺して、カテーテルを挿入してきますので、皮膚を大きく切ったり縫ったりすることはありません。

どこで処置を行いますか?
原則として、移動できる患者さんは血管造影室で行います。清潔で広く慣れたスタッフがいますのでとてもやりやすい処置室です。ただ、手術室のような雰囲気なので、すこし緊張感が感じられるかもしれません。移動が難しい緊急患者・重症患者の方は、集中治療室などで実施します。

どのような手順で処置を行いますか?
①処置台にあおむけに寝ていただき、モニター類をとりつけたあと、処置に入ります。
②エコー(超音波診断装置)で見て穿刺目標の血管と穿刺位置を決め、消毒して清潔な布をかぶせます。
③局所麻酔の注射を行いますので、このときは少し痛みがあります。その後は麻酔が効いてきますので痛みはなくなります。
④エコー画面を見ながら穿刺針を血管に穿刺します。

⑤血液の逆流などを確認し、穿刺が適正に成功すれば、レントゲン装置の画像を見ながら穿刺針を通してガイドワイヤーという細いワイヤーを挿入します。
⑥ガイドワイヤーが適正に挿入したあと、穿刺針を抜去します。
⑦ガイドワイヤーにダイレータという道具を通して、カテーテルを通すために道を広げる操作をします。この時もレントゲン画像を見ながら操作します。
⑧ダイレータを抜去した後、ガイドワイヤーにカテーテルを通していきます。カテーテルの位置はレントゲン画像を見ながら適切な位置に留置します。このように挿入処置中にはわずかにX線の照射があります。

⑨カテーテルの位置を決めた後、カテーテルが抜けないように固定具を使用して、皮膚と縫合固定します。挿入部を再度消毒し、透明なドレシング剤というフィルムを貼ってカバーをして終了です。血管造影室に入ってから出るまで平均30分くらいの処置時間です。

危険性はないですか?
この処置は、体の表面から見えない体の中心に近い静脈にカテーテルを留置する方法ですので、危険性がないとはいえません。ときに、重篤な合併症が発生する場合があります。また、さまざまな種類の合併症が報告されています。エコーやX線透視装置などを使用し、できるだけ合併症を予防するように努めています。万が一、合併症が発生した時は迅速に適切に対処します。

エコーガイドはCVCのブレイクスルー

スルー・ザ・カニュラキットの時代

JA長野厚生連 佐久総合病院のCVC流儀をふりかえってみると、少なくとも2001年まで、カテーテルキットは太く長い穿刺針とカニューレ(外套)がセットになった「スルー・ザ・カニュラ」といわれるキットをおもに使用していました。穿刺成功後、内針を抜いてカニュ-レを留置し、そのカニューレの中に直接カテーテルを通していく方法です。カテーテル挿入後カニューレを二つに裂いて取り去るので、ピールオフタイプとも呼ばれていました。

穿刺方法は体表の解剖学的な特徴を元に穿刺する方法=ランドマーク法でした。穿刺部位は鎖骨下が主に選択されていました。つまり、「太く長い穿刺針で体表面からは見えない血管をブラインドで、しかも鎖骨下から穿刺する」、という荒技だったわけです。

今思うと安全性と確実性に疑問がありますが、日本全国どこでもこれがCVCの標準手技であり、当たり前の一般処置でした。CVCとはこういうものなんだと、研修医時代の私は当然思いました。またこの方法に疑問を呈する雰囲気はまったくありませんでした。この方法でも準エキスパートくらいには上達しましたが、やはり不確実な方法だからでしょう、私を含め院内では合併症や不成功事例はよく耳にしました。それでも、「CVCとはそういうもの」でした。たぶん、日本の医療環境全体で同様でした。

とはいうものの、かなり危ない合併症も目立つようになり、このままでは大事故が起きるに違いないという危機感が徐々に高まってきました。それで病院トップが安全対策に乗り出したのが2001年です。

まず4か月間の院内調査(318件(実人数207名)、回収率94%)を行いました。その結果、スルー・ザ・カニュラキットを使用したランドマーク法CVCの不成功率がやっぱり高いことがわかりました。合併症もかなり発生していました。

この調査をきっかけに、より安全で確実なCVCの方法や体制を構築する必要性が院内で共有されました。そこで、私が実務的な仕事をまかされました。

安全確実なCVC実施体制の模索
とはいっても「安全確実なCVCの実施体制」とは、具体的には何をすれば?手技にしてもすでに標準手技として確立しているランドマーク法に代わる方法がある?半数の医師が実施している処置を標準化できるのか?悩みました。

ただ調査結果が示す通り、太い穿刺針のキットはどう考えても不確実でリスクも高いので、細い穿刺針で穿刺挿入できるセルジンガーキットをまず導入するところから手をつけました。それに、見えない大血管を体表の特徴を頼りに刺すブラインド穿刺はやっぱり危ない。ときに1-2時間も粘って当たるまで何回も刺している。見えない血管を刺そうとするのが危険だとすれば、この穿刺過程を「見える化」することができればいいはずです。

エコーに感動
それでエコーガイド下穿刺はどうかと考えました。すでに胆道ドレナージなどでは確立されていた方法です。さっそくやってみると既存の携帯型腹部用エコー(SonoSite180)でも血管は非常によく見えました。これなら穿刺過程の「見える化」すなわち「見ながら刺す」こともできそうだと思いました。

この方法について当時は少なかった文献をしらべ、それを頼りに内頚静脈穿刺を実際に試みたところ!目からウロコというか、水晶体再建術というか、まさに開眼したような感動。はじめて見る景色でした。穿刺目標の血管、その周辺の構造、穿刺していく針が静脈に近づいていくところ、すべてがリアルタイムで見えました。それまでの手探りでの穿刺とは次元が異なる、確実で安全な方法だと直観しました。このとき、エコーガイド下穿刺はCVCのブレイクスルーになる!そう確信しました。

ただ、腹部用コンベックスプローブだとその大きさゆえ、取り回しが大変で万人向きではない欠点がありました。するとそれから間もなく、血管穿刺専用のエコー“SonoSite iLook25”が市販され、これはまさに望んでいたデバイスでした。リニアプローブで浅いところの血管描出が良好なうえ、プローブ自体がそれまであったエコーの中でも最も小さく、穿刺中のスキャンがとてもやりやすいのです。それを導入してからはいっそう手技が容易となり、だれでも可能なエコーガイド下穿刺として標準化していくことが可能になりました。このエコーがCVCの歴史を変えたとすらいえるでしょう。

合併症が激減:CVC三種の神器

エコーガイド下穿刺の源流
エコーガイド下穿刺は、1986年に倉敷中央病院麻酔科の米井昭智先生がAnesthesiology誌に世界で最初に報告した技術です。内頚静脈、腋窩静脈、大腿静脈、上腕の静脈(尺側皮静脈、上腕静脈)など、体表面からは見えない血管を、超音波機器(エコー)を用いて穿刺する、「見える化」技術です。この報告以降、この手法に関する非常に多くの調査が行われ、この手法でCVCの安全性と確実性が向上するというエビデンスが集積し、標準化が加速しました。実際のところ、CVCで最も強いエビデンスがあるのは、このエコーガイド下穿刺だろうと思います。

(出典:A.Yonei, et al: Real-time Ultrasonic Guidance for Percutaneous Puncture of the Internal Jugular Vein. Anesthesiology. 1986; 64: 830-31)

セルジンガーキットへの移行
当時標準的に使用していたカテーテルキットは、太い外套式穿刺針で穿刺するスルー・ザ・カニュラキットだったのですが、針が太い分穿刺抵抗が大きく侵襲的であることに加え、エコーガイド下穿刺だと針の背後がアコースティック・シャドウとなって見えにくくなる欠点がありました。とてもやりにくかったわけです。

それならより細い穿刺針で穿刺できるセルジンガー法キットでやればいい。どちらも同じ径のカテーテルが留置できるし。ただ当時、セルジンガーキットも導入していましたがスルー法に慣れた医師がほとんどで、上から目線で号令を出してすぐに全部を切り替えるのは大きい反発が予想されました。

そこでエコーガイド下穿刺+セルジンガーキットによるCVCの実績とノウハウを個人的に集積しつつ、なんとなく院内に「最近のCVCはこういう方法になってきているらしい」「わりといけるみたいだ」という雰囲気をじわじわ醸し出し、いつの間にかスルー・ザ・カニュラキットが駆逐されてセルジンガ―キットに置き換わっている、というような作戦で院内の標準化を進めていきました。この作戦は当たって、波風を立てずに最後にはCVCの文化を変えることに成功しました。ただし数年の時間を要しました。

X線透視下操作の導入
しかしまだ気になる点は残っていました。エコーによる穿刺時の「見える化」だけではガイドワイヤー・ダイレータ・カテーテルの挿入過程はブラインドのままです。穿刺は成功しても、そのあと確実に適正な位置にカテーテルが留置されるという保証はどこにもない。見えないところで事故が起きるのでは?ここにも大きいピットフォールがあったのです。

この過程を見える化するにはX線透視下で操作するしかありません。それなら穿刺からカテーテル留置までの全過程が見えます。その方法が絶対に良いことはわかっていましたが、ここに大きいハードルがありました。患者のベッドサイドでCVCは実施するものだという文化が固まっていたなかで、「たかがCV」でわざわざ患者を血管造影室まで連れていき、貴重な血管造影室の枠に入り込めるか?それこそ大きい反発が予想されました。

作戦としてまず、診療放射線技師の責任者と交渉し、この方法の安全性・確実性を理解してもらうことから始めました。それをきっかけにCVCの実施名目で血管造影室の検査枠にもぐり込むことができました。次にあまり院内にこの方法を宣伝せずに、いいかえれば「こそこそと」患者を血管造影室に連れてきてエコーと透視下でCVCを実施するということを繰り返していきました。

そのうち「最近では透視下でCVやってるの?」みたいにいわれはじめ、「そういうのもやってる病院はあるみたいですよねー。ちょっとまねするときもありますが」などと、しれっとかわしつつ、徐々に「CVCは血管造影室で実施するものだ」という雰囲気に持っていき、ついにはそれが最初から当たり前だったみたいな顔をして標準化にもっていきました。最後にはその文化が定着して、今では一度血管造影室の環境でCVCを実施すると、その安全性・確実性・安心感から、血管造影室以外では実施できなくなるという証言を何度も得ています。ゲリラ作戦成功です!

こうして、

エコーガイド下穿刺
細径短針(セルジンガーキット)使用
X線透視下操作

という三種の神器がそろって、「危険手技CVC」は安全・確実・迅速な処置に変貌しました。もちろん、三種の神器だけで必要十分というわけではなく、ほかにも基本的で大事な安全対策もあるのは承知していますが、なんといってもこの三種の跳躍力がオリンピックレコード級なのです。

「なんちゃって」エコーガイド下穿刺からの卒業

エコーガイド下穿刺にひそむ地雷
そうこうするうち、日本医療機能評価機構のCVC研修会など外部の講習会も行われるようになり(2009年開始)、エコーガイド下CVCは全国的に普及し標準化されていくかに見えました。

ところが!エコーガイドはたしかに浸透していきましたが、その正しい方法はかならずしも広まっているとはいえなかったのです。その証拠に、この間もCVCの事故はかなり頻繁に全国紙やネットで報道されており、「エコーガイドでやったら、かえって合併症が増えた」という報告も出てきてしまいました。

とどめは2017年3月。CVCによる死亡事例を分析した、医療事故調の提言第一号です。エコーガイドでやったとしても、CVCはいまだに大事故が多い「危険手技」としてマークされ、改善を促すよう提言が出されてしまったのです。がっかりです。どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?

(出典:日本医療安全調査機構

いろいろな事例を見てみると、エコーガイド下穿刺はCVCで起きる機械的合併症=地雷を踏まないためのテクニックのはずだったのですが、なんとエコーガイド下穿刺の手法そのものに地雷が埋め込まれていた、ということが浮き彫りになってきたのです!

詳しい技術的な手引書や論文が少なかったこともあって、このピットフォールが十分に認識されてこなかったこと、ゆえにそれを避けるノウハウもこれまで浸透していなかったことがエコーガイド下穿刺で発生するトラブルの本質に見えます。

本サイトでは、エコーガイド下穿刺にひそむ地雷を含め、至る所に埋め込まれた地雷をみつけだし、安全に避けるノウハウを提供していきます。

本来エコーガイド下CVCは、ほかの多くの高度な医療技術に比べれば、難しい複雑な技術では決してありません。むしろ非常にシンプルな原理に基づいておりシミュレータなどの研修ツールも確立しています。たしかに、それなりの技術的なポイントやコツがありますので、それを押さえないとランドマーク法よりもあぶなっかしい「なんちゃって」のエコーガイド穿刺になってしまう危険性はあります。そこが問題です。

とはいいつつ、ここだけの話、私がエコーガイド下穿刺をやりはじめたころ、この技術は一般的ではなく指導してくれる先輩はいませんでした。文献を読んで自分で試行錯誤を繰り返し、ノウハウを蓄積するしかなかったのです。

エコーガイド下穿刺に少し自信がついてきたころだと思いますが、人工呼吸器管理下の患者さんに鎖骨下からエコーガイド下CVCを実施しました。準備段階で普段使用しているのと異なるキットがすでに開けられていたことに気づきました。それは長く太い18Gの穿刺針しか入っていないキットでした。ちゅうちょしましたがそれを使うことにしました。大丈夫。どんな器材でも俺ならできる。人工呼吸器がついてても関係ない。そのおごりが必然の結果を生みました。

穿刺してみると、そのときはどうしても先端がうまく描出・誘導できませんでした。おそらく太い穿刺針によるアコースティックシャドウのためでしょう。そのリスク認識が足りない時期でした。それで苦心しているうちにエアーが引けてしまいました!気胸をつくってしまったのです。そうこうしているうちに酸素飽和度が徐々に低下し、しかも見る見る血圧が下がってきました。焦りました。胸部レントゲン写真では左気胸と縦隔の偏位が明らかでした。陽圧換気していた患者だったので、肺の傷からエアーが急激に胸腔にたまって緊張性気胸に進展してしまったのです!CVCで緊張性気胸の合併症があることは認識していましたが、まさか自分が。

すぐに脱気してドレナージチューブを留置し事なきを得ましたが、冷や汗もんです。もちろん重大なインシデントです。カテ先も適正ではありません。そうです。かつての私こそがまさに「なんちゃってエコーガイド下穿刺のヒト」だったのです。このしくじりを反省し多くの教訓を得ました。

それで自分自身が「なんちゃって」を卒業するにはどうしたらいいか、エコーガイド下穿刺の技術だけでなく、CVC手技全体の安全性・確実性を向上させるにはなにをしたらいいかを模索してきた、ということです。それらはすべてこのサイトに反映させています。こうした他人の失敗を糧に、手技を向上させていただければ嬉しいです。

エコーガイド下CVCの構成

エコーガイド下CVCは、①描出・穿刺テクニック、②穿刺部位、③デバイス、の3つの要素とその組み合わせで構成されます。

描出・穿刺テクニックは超音波画像を見ながら穿刺する動的方法(=リアルタイム法)と、穿刺前に超音波で血管その他を確認し、穿刺時には超音波を使わない静的方法の2種類をまず大別します。静的方法はultrasound assistance、動的方法はultrasound guidanceと呼んで区別する場合もあります。ここではエコーガイド下CVCといった場合、動的方法/リアルタイム法を指すことにします。リアルタイム法はさらに短軸像穿刺swing scan法短軸像穿刺sweep scan法長軸像穿刺斜位像穿刺の4種を区別します。これらは「描出・穿刺テクニック」のカテゴリで解説します。

なお、エコーガイド下CVCの呼称としては、“real-time ultrasound guided CVC(リアルタイム超音波ガイド下CVC)”と表記されることもあります。このサイトではよりわかりやすく簡便に「エコーガイド下穿刺」「エコーガイド下CVC」と記述します。
静的方法については「その他の応用テク」のカテゴリで解説します。

穿刺部位の区別は、穿刺部位(体表面)は同じでも実際に穿刺する血管とは異なる場合がありますので、穿刺部位と穿刺する血管を分けて記載することとします。すると、以下のように分類されます。これらは「穿刺部位」のカテゴリで各手法を解説します。

表記法として、エコーガイド下穿刺の手法_(右・左)穿刺部位_穿刺血管とします。付帯事項がある場合は最後にカッコで付記します
例1)短軸像swing scan法_右頚部_内頚静脈穿刺
例2)長軸像_左鎖骨下_腋窩静脈穿刺(長軸像用ニードルガイドと長針使用)

デバイスは、エコー、プローブ、カテーテル、プローブカバー、長軸像穿刺用ニードルガイド、穿刺針などの種類と選択を意味しています。デバイスの選択とCVC実施手技の安全性・確実性向上とは密接な関係にあります。その患者さんにとってつねに最適なデバイスを選択し実施することをこころがけます。「デバイス」のカテゴリで解説します。

このような側面から見ていくことで、エコーガイド下CVCの描出・穿刺方法は、穿刺方法・穿刺部位/穿刺血管・デバイスを患者の状態や環境に応じて最適に組み合わせるというふうに整理できます。

では、どのような基準でこれらを選択し組み合わせたらいいでしょうか?その選択に根拠を与えてくれるのは、

  1. CVCの適応
  2. 患者さん固有のリスク
  3.  プレスキャンから得られた人体内部の情報
  4. CVC実施環境

の4つの条件です。これらの条件を整理して最適なエコーガイド下CVCのプランを立てて実施することが最終的な目標です。こうした条件についても「CVCの手順と体制」「エコーガイド下穿刺」の項で解説します。

エコーガイド下CVCの特性

エコーガイド下CVCは、すでに世界的に認知された標準手技です。なぜそのように認められたか、その特性を挙げるとすれば以下のようになるでしょう。

  1. 安全性が高い(=合併症発生率が低い)
  2. 確実性が高い(=成功率が高い)
  3. 迅速に実施できる(=多数回穿刺しない)
  4. 簡便に実施できる(=小型・携帯型の穿刺用超音波が活用されている)
  5. 患者にとって安心(=ブラインド穿刺ではない)
  6. 低コスト(=トラブルフリーが最も低コスト)
  7. 術者が自信を持って施行できる
  8. ICU・手術室・ERでも実施可能
  9. 医療の質の底上げになり、施設の評価が高くなる
  10. 主要なガイドライン・レビューで推奨されている裏付けがある
  11. 手技に魅力・面白さがある
きちんとできればいいことづくめですね!世界標準になるのも当然です。特性11にしてもちょっと不真面目なようですが、「さまざまな状況に臨機応変に対応し、障害があってもそれを乗り越え、ターゲットをすばやく確実に射抜く」技術は、狩猟から始まり人々を魅了する多くの競技・遊戯に共通しており、エコーガイド下CVCはまさにその特性を備えています。つねに何かしらのチャレンジがあり、面白く楽しくできるわけです。不謹慎ではありますがこういうゲーム的要素は、「もっとうまくなりたい」という動機づけになり、それが技術の向上をもたらし、最終的には患者安全に貢献するので重要な要素だといえます。

これらの特性により、トレーニングと実践次第で、最終的には「血管穿刺の過程をすべてコントロールできるという自信が持てる」、というところまで行きつくはずです。おおげさでしょうか。少なくともランドマーク法のように手探りで穿刺し、成功してもどこか偶然のような気がして、あるいは失敗してもその原因がよくわからないような不全感のある技術とは対照的になるはずです。

一方、マイナスの特性としては、

  1. エコーと言っても穿刺用エコーがないと手技的にはかなり難しい
  2. エコーガイド下CVCに特化した研修教育と手技の鍛錬が必要
  3. 従来法(ランドマーク法)からの切り替えにあたり、ランドマーク法に慣れたベテラン層には特に抵抗感が出やすい
  4. エコーの準備と操作が面倒だと感じる人が多い

などが挙げられます。こういう要因で普及がさまたげられている側面があるのは事実でしょう。もしそうであったとしても、この壁を越えた先にある景色が見たくなるはずです。エコーがありさえすればよいわけではありませんが、「危険手技」とマークされて久しいやっかいな医療処置をふつうの医療処置に変える大きいパワーがあります。あるいは、自分や自分の家族がCVCを受ける立場になったと仮定したら?

とても有用な方法であるエコーガイド下CVCですが、それでもランドマーク法よりも明らかに優れているという説得力を持つには具体性が必要でしょう。その実施目標はどのくらいに設定したらいいでしょうか。安全性・確実性・迅速性という側面でいえば、個人的には、下図のように

という目標を設定したいと思っています。これは自分の経験を踏まえた、現実性のある数値目標だと思っています。ただしこの目標は予定で実施する待機的CVCの場合に限定し、救急領域など緊急性・迅速性が優先される場合は、手法や目標などは当然変わってきます。

このサイトでは、「エコーガイド下穿刺」以下のカテゴリから、確実な技術と知識をまずマスターしていただきたいと思います。その上でより深く検討したいという関心が生まれましたら、「CVCの手順と体制」「CVCの研修教育」「CVCの合併症と医療安全」などをのぞいてみてください。CVマスターになるための、なにかしらのヒントがあるはずです。

トリプルエコー:エコーは3回使う

エコーガイド下CVCの手法では、エコーは合計3回活用します。穿刺前=プレスキャン、穿刺するとき=リアルタイムスキャン、穿刺後=ポストスキャンの3回です。

プレスキャン
エコーで穿刺部周辺の様子を描出すると、最適な穿刺部位、誤穿刺したら事故になると思われるリスク、穿刺の難易度、解剖学的特徴などが把握できます。

超緊急時を除き、このプレスキャンによって、CVC実施前に穿刺部付近の詳細な情報を、エコーという非侵襲の簡便な器械で、わずかな時間で得ることができ、穿刺の安全性をより高めることができるのが素晴らしいところです。

実際、かなり時間をかけないと見落としてしまう解剖学的な問題やリスクも珍しくなく、プレスキャンなしでいきなりエコーガイド下穿刺をするのは、そのリスクに対してほとんど“ブラインド”であることを意味し、エコーガイド下穿刺のコンセプト自体が崩れてしまいます。

というわけで、このプレスキャンは非常に重要であり、まずここでエコーを使用します。詳細はプレスキャンの記事を参照してください。

リアルタイムスキャン
これは穿刺時に行うスキャンで、穿刺針を体表面から目標の血管まで誘導する目的で行うスキャンで、エコーガイド下穿刺のことです。ここは当然もっとも技術を必要とするフェイズです。

まず必要な認識は、エコーガイド下穿刺は「エコーを使えば血管がよく見えるから簡単に刺せるようになる技術、ではない」ということです。この過程は非常にダイナミックな過程で、その適正な方法論のみならず、多くのピットフォールを認識しておくことが必要になります。

ただし、そうした基本的なスキルを身につけるのは、それほど難しくはありません。研修受講後のアンケートではほとんどの研修医が「訓練すればできるようになると思う」に〇をつけます。リアルスキャンの具体的方法はエコーガイド下穿刺の各記事で詳細に解説してあります。

ポストスキャン
エコーを使い倒し、とことん安全性を高めるのがエコーガイド下穿刺の身上です。そのための3回目のエコーの使用は、ガイドワイヤーの適正留置を評価する手法であり、これをポストスキャンと呼んでいます。

エコーガイド下穿刺が安全性を高めるのは多くの報告で確立したエビデンスですが、それでも完全ではありません。エコーガイド下動脈誤穿刺もあり得ます。わたしもそれを経験しています。その誤穿刺に気づかずガイドワイヤーの誤挿入にも気づかなければ、動脈カニュレーションまで簡単に行ってしまいます。特に非透視下操作では起きやすいといえます。そうなるとやはりおおごとで、場合によっては致命的です。エコーガイド下穿刺で穿刺はうまくいった、でも患者は大変なことになったでは、なんのためのエコーかわかりません。

そのような有害事象を未然に防ぐには、プレスキャン、リアルタイムスキャンに加え、ガイドワイヤーが静脈内に適正に留置されているのを確認し、カテーテルの誤留置が防止するポストスキャンがとても大切です。エコーガイド下穿刺というと、ともすれば穿刺時にエコーを使う技術だというイメージが先行しますがそうではなく、このトリプルエコーが肝だということを忘れないでください。

なおこのポストスキャンの重要性は事故調提言1でも触れられています。

提言3:
内頚静脈穿刺前に、超音波で静脈の性状(太さ、虚脱の有無)、深さ、動脈との位置関係を確認するためのプレスキャンを行うことを推奨する。

ポストスキャンはたとえX線透視下でガイドワイヤーの静脈内留置が確実だと思っても省略せずに行う方が無難ですし、非透視下では必須の手順と言えます。

このように、エコーガイド下穿刺と一口に言っても、実はトリプルエコー=3段階でエコーを使用するものだということをまず知ってください。

第一段階:プレスキャン(リスク評価、穿刺部選定)

第二段階:リアルタイムスキャン(穿刺針誘導)

第三段階:ポストスキャン(ガイドワイヤー確認、誤留置防止)

ランドマーク法CVCの位置づけ

補足としてランドマーク法によるCVCについて、個人的な見解を記しておきます。

ランドマーク法は体表面の解剖学的特徴をもとに、体表面からは目視できない静脈を穿刺しカテーテルを挿入する技術です。目視できない血管を穿刺するというところからブラインド穿刺とも呼ばれます。

ただし、内頚静脈は体型によっては静脈の拍動が目視できる場合があるので、かならずしもブラインドではないという意見もあります。また総頚動脈や大腿動脈の拍動という触覚も頼りにして穿刺することが普通で、盲目的な穿刺というイメージも誤りといえます。

しかしあくまで正常解剖を前提とした穿刺方法であり、破格や走行異常・体型などの個体差に精密に対応できるわけではないということもまた事実ですので、エコーガイド法と比較すれば安全性・確実性に劣るというのがこれまで数多くのリサーチによって確立しているといえます。
エコーガイド法の優位性がエビデンスとして確立している現代では、エコーが使用可能で待機的なCVCを、ランドマーク法で実施することの正当性を主張することは現代では難しいでしょうが、緊急性がある場合はどうでしょうか。つまり、救急領域や院内急変時の場合です。

救急搬送されてくる患者では上半身の末梢静脈が確保できるならば、CPAでも中心静脈路を確保する必要性はあまりありません。ですが、高度の肥満や出血性ショックなどのケースでは末梢静脈路が短時間で確保できない場合があります。ドクターヘリ・ドクターカーなどの現場医療においても同様です。

静脈路の代替として骨髄路がありますが、かならずしも常に信頼できるとは限りません。それに骨髄路はawakeでは確保しにくいでしょう。

重傷外傷の症例では、広範な皮下気腫が生じている場合もあります。エコー空気に触れると減衰が大きくなり、画像を作ることが出来なくなるため、皮下気腫の領域からはエコーガイド下穿刺はほぼ不可能になってしまいます。末梢静脈確保ができそうもない、骨髄路に手間取っている、上半身の皮下気腫がひどく、エコーが無力・・・という場合にはどうしたらいいでしょうか(下図は比較的広範囲の皮下気腫が右鎖骨下領域にある例)。

いずれにしても救急領域では輸液路が確保できなければ治療を始められない=輸液路確保が律速段階になる、ということから迅速な静脈路確保が強く要求されます。輸液路をとるところが見当たらない、エコーなどのデバイスが無効・・・こういうときにはランドマーク法が重宝します。以下、ランドマーク法による緊急時の輸液路確保の具体的な手法の例を示します。

  1. ランドマーク法で内頚静脈または大腿静脈を外套式針(末梢静脈用カニューラ針)を使用して穿刺し外套を留置する。またはCVカテーテルを穿刺挿入する。
  2. 外頚静脈を外套式針(末梢静脈用カニューラ針)を使用しランドマーク法で穿刺する。ただし外頚静脈のランドマーク法穿刺は、外頚静脈が動きやすいため相応の技術や経験が必要である。
  3. 鎖骨下_鎖骨下静脈をランドマーク法で穿刺し、末梢静脈カテーテルかマルチルーメンCVカテーテルを挿入する。

 

鎖骨下_鎖骨下静脈をランドマーク法で穿刺する手法は、緊急・待機を問わず以前は非常にポピュラーでしたが現在ではほとんど実施されなくなっています。理由はブラインド穿刺による不確実性が高いこと、重篤な機械的合併症のリスクがあること、研修教育の機会が減少していることなどです。

しかし鎖骨下静脈は鎖骨と線維性に結合しており、出血等で循環血液量が減少していても虚脱しにくく、緊急時の静脈路確保に対しては有利な部位であるというメリットがあります。戦時医療から派生した手技であると聞いたことがあり、納得しました。ランドマーク法_鎖骨下静脈穿刺リスクもありますが、どうにもルートが取れないとき、エコーが利用できないとき、輸液路がなければ短時間で心停止するリスクが高いときの、残された切り札的なテクニックであり、そのときにはトライする価値があります。

このように、ランドマーク法は一概に時代おくれの穿刺手技ということではなく、救急医療領域ではいまだに、そしてこれからも必要な手技であり、継承していくべきだと考えています。ただしランドマーク法のトレーニングの量が以前に比べ絶対的に不足しているということで、確実性・安全性の担保に難しい問題をはらんでいるのも事実です。

一方、この確実な輸液路を迅速に確保したいという救急領域における要請に対して、エコーはどのような役割があるでしょうか。このような場面ではリアルタイムエコーガイド下穿刺はたしかに準備やワークスペースの関係で適用しにくいのですが、エコーを利用した方法を含むいくつかの手法が選択肢にはあります。

  1. 内頚静脈または大腿静脈を外套式針(末梢静脈用カニューラ針)を使用してQuick look法Marking法のいずれかでプレスキャンのみにエコーを使用して穿刺する。Quick look法Marking法ではエコーの役割は限定的だが、その分迅速性が向上する。複数のラインがすぐ必要な場合はマルチルーメンのCVカテーテルを使用する、複数本のカニューラ針を挿入する、複数個所でカニューラ針を挿入することが考えられる。ただしCVライン挿入の場合は十分な清潔操作は困難なので、早期に入れ替えることが前提となる。大量の急速輸液・輸血が必要な場合は4Fr以上のシースを挿入することも検討できる。シースなどの太いカニューラの血管外留置・動脈留置は蘇生を遅らせるばかりでなく致命的な合併症に結び付く可能性があるため確実性が重要になるが、その点ではエコーを利用することの利便性は大きい。
  2. 鎖骨下_鎖骨下静脈をランドマーク法で穿刺し、末梢静脈カテーテルかマルチルーメンCVカテーテルを挿入する。
  3. V-V ECMO、V-A ECMOはシース留置同様、血管外留置・誤留置は蘇生を遅らせるばかりでなく致命的な合併症に結び付く可能性があるため確実性が重要になるが、その点ではエコーを利用することの利便性は大きい。

エコーガイド下CVCの流れ:動画

血管造影室で実施したエコーガイド下穿刺の一連の流れを動画で供覧します。だいたいのイメージを作ってください。詳細は「CVCの手順と体制」の各チャプターを参照してください。

中心静脈カテーテルの挿入方法:アンケート調査から

JSEPTIC(特定非営利活動法人日本集中治療教育研究会)臨床研究委員会による集中治療に関わるすべての医師を対象とした中心静脈カテーテルの挿入方法に関するアンケート調査が、2018年4月に実施されました。全国のCVマスターたちが、特にエコーガイド下穿刺についてどう考えているかを知るうえで大変興味深いものです。対象者が集中治療領域担当者に偏っているとしても、ある程度現状を反映しているはずであり、同時に今後の方向性を示すものであるかもしれません。その一部をご紹介させていただきます(回答者数181名)。

(出典:日本集中治療教育研究会

質問1 あなたの職種は何ですか?

経験年数は1-5年が11.1%で約9割が6年目以上、ピークが11-15年にありました。65.8%でCVCの挿入経験は100例以上ありました。

 

質問5  CVC挿入部位の優先順位はどれですか?(腋窩静脈は鎖骨下と同一として答えてください)

 

 

質問8 CVC挿入の際にエコーは使用しますか?

 

 

質問 11 エコーを使う際はどの方法を使用していますか?

 

 

質問12 上級医なしでCVC挿入を行ってよいと思うCVC挿入経験件数を教えてください。

 

 

質問13 エコーを使用するしないに関わらず、ランドマーク法を初学者に教えるべきだと思いますか?

 

自由記載から

  • エコーガイド下でないと穿刺してはいけない院内ルールとなっており、エコーを使用しない状況はない。
  • その場にエコー装置がなく、エコー装置の調達に時間がかかる場合は、ランドマーク法で施行する。
  • いくつかの病院で勤務した経験があるが、エコーの準備が難しいときにはブラインドで行う場合もあった。
  • 原則として全例使用。プレスキャンだけで済ませることもあります。
  • どういう手技にもピットフォール があり、ピットフォールを経験しない人はそれを知ることができない。安易に考えている人ほど落とし穴にはまるものと考えており、エコーだけでなく、ランドマーク法は教えるべきだと判断する。
    エコーを過信して発生する事故も少なからずあるので、初心者の指導時は注意してます。
  • 一番危険なのは、たいしてCV挿入の経験もない(合併症の経験も少ない)指導者が、論文の受け売りでエコーガイド下穿刺を研修医に指導することであると考えている。
  • 解剖学の知識は必要なので、ランドマーク法についてレクチャーはします。しかし、穿刺の際には必ずエコー下で穿刺するよう指導しています。
  • エコー画面を見過ぎて、針が深く入りすぎている研修医はよくいるので、ランドマークなどで深さや位置などを知ることは重要だと思う。
  • 当院では研修医に必ずエコーガイド下CV カテーテル挿入法を教えています。エコーガイド穿刺が一般化してくるにつれて、ランドマーク法を知らない医師が解剖学的位置を全く重視しない穿刺を行って危険であると認識することが多いので、現状把握のための良い調査だと思う。針先を全く描出できず、「なんちゃって」エコーガイド下穿刺を行って、できる気になっている医師が多すぎる。
  • アメリカに来てからは全例USガイドです。Aラインもです。日本ではUSなしでした。
  • 他の人がエコーを使ってもきちんと針先を見ずに穿刺していることに多々遭遇します。
  • 原則リアルタイムエコー穿刺を行うべきと思いますが、初心者の中にはエコーの画面ばかりみて手元を全く見てない(そのため知らない間に非常に深く穿刺してしまっている)ことが多く、ランドマーク法と両方教えるのが大切だと思いました。
  • リアルタイム法は針先を見失った時が怖い。理屈は分かるが、手元を見れるランドマーク法の方が安心感がある。
  • リアルタイムエコーガイド下にカテーテル挿入することは、車の運転でシートベルトを着用するのと同じだと思う。ランドマーク法で行い、何か合併症を起こしてしまったとき、より安全な方法があるのに使用しなかったとなると訴訟のリスクが高いと思う。
  • エコーに対する妄信が気になります。エコーガイド下穿刺は穿刺方向がランドマーク法と異なり中心部に向きます。また、CV穿刺に慣れてないエコー初心者が、最初からエコーガイド下に行うのは余計にリスクを上げてるとしか思えません。画面ばかり見ていて手元の針が根元まで入っていることもよくあります。エコー、CV穿刺それぞれをトレーニングの後、エコーガイド下リアルタイム穿刺をさせるべきと考えます。
  • 卒後30年目の古い麻酔科医なので、新たに超音波ガイド下の方法を行うようになってからは、盲目的に穿刺することがとても古くて危険で効率の悪い方法だと考えています。
  • エコーガイド下穿刺にお金をつけるべきだと思います。プローブカバーも安くはないので、普及の妨げになっています。
  • エコーは非常に便利です。私が教わった時はランドマーク法しかなく、失敗はある程度やむを得ないと思っていました。
  • リアルタイムエコーガイドできちんと針先を出して刺せている人が少ない。年間穿刺件数が30例を超えるよ うな医師はきちんと穿刺出来るよう、習熟すべき手技だと考えます。
  • 院内のガイドラインでも超音波ガイド下CVC穿刺を一部推奨しているが、明確な教育方法(誰がどういう超音波ガイド下穿刺方法で教えるか)が示されていないことが問題と考えている。

このアンケート結果を集約すると、

エコーを使ってCVCを実施するのはもはや常識だが、エコーがありさえすればCVCが安全になるということではなく、使い方が不適切であればかえって重大な合併症を引き起こすリスクもある。標準手技を確立し、特に針先の描出技術に習熟することが重要である。ほかにも解剖やピットフォールなどの知識も大切で、十分な研修教育が非常に重要である。

ということになるようです。やはり、研修教育がカギになるように思いました。効率的・効果的なCVC研修教育のプログラムをどのように構成するか。ここは非常に難しいテーマです。「CVCの研修教育」のカテゴリで議論したいと思います。