ポイント:カテーテル先端の位置確認では、わずかな異常も見逃してはならない。疑念があればCTなどで精査する。

カテーテル挿入後は、必ず確認のレントゲン写真を撮影します。スムーズに挿入され、静脈の逆流があってもカテーテルが中心静脈内とは限らず、カテーテル位置異常・迷入から大事故に至る可能性もあるため、直後の確認は重要です。ですので、カテーテル先端位置を確認することなく輸液を開始するのは、蘇生時など緊急時を除いて禁忌といえます。

遅発性気胸の発見・除外目的で、翌朝などに時間をおいてレントゲン写真を再確認することをルーチンとしている施設もありますが、エコーガイド下穿刺とX線透視下でCVCを実施すれば合併症リスクは小さいので、ルーチンとまではしなくともよいと考えます。処置中になんらかの懸念があった場合に随時ないし時間をおいて撮影することでもよいでしょう。
経過中、レントゲン写真を撮影するたびに、カテーテル位置が変化していないか、新たな合併症が出現していないか、そのつどチェックはするべきと思います。

カテーテル位置異常の画像

カテーテル先端位置がわずかでも通常と異なって見えた場合は、十分な検討が必要です。以下、カテーテル位置異常や不適切例の画像を提示します。提示した例以外でも、カテーテル先端がごくわずか曲がっているだけでも、上大静脈に流入している細い枝にはまり込んでいる場合もあるということです。ほんのちょっとした異常が重大事故に結びつくことがあり、慎重な評価が必要です。また、挿入後、カテーテル位置異常のまま長時間経過すれば、それだけ事故のリスク上昇することになるため、カテーテル挿入後はできる限り早期に位置を確認することが大切です。

①左内頚静脈からPL-SVC; persistent left superior vena cava(左上大静脈遺残)への迷入例

 

②左内頚静脈からPL-SVCへSwan-Ganzカテーテルが迷入した例

 

③左鎖骨下静脈からPL-SVCへの迷入例

 

④右内頚静脈から右内胸静脈への迷入例

 

⑤右房内留置

 

⑥左からのアプローチによる上大静脈の壁当たり

 

 

⑦右内頚静脈→左腕頭静脈への迷入

 

⑧ループ形成

 

⑨右胸腔内留置→→胸腔内輸液

 

⑩テシオカテーテルの縦隔内への迷入

 

⑪右椎骨動脈への5Frシースの迷入

 

⑫左心横隔静脈への迷入

 

⑬右総腸骨静脈→左総腸骨静脈への迷入

 

⑭左上行腰静脈への迷入