ポイント:CVCの実施記録システムを整備し全数調査を行うことは安全対策の基本となる。

どの施設でもCVCをトラブルなく実施していきたいわけですが、そのためにはふだんからの改善が欠かせません。何をどのように改善したらいいかは、なんらかの問題や問題の芽をみつけていくことが王道です。そのとき、客観的な事実やデータを根拠にしないと独善的な改善になってしまいます。それで実施記録の全数調査が基本的に必要になってくるわけです。
データをもとに対策や介入を行い、その結果をまた実施記録からフィードバックしていくという、らせん状の上昇運動により徐々に改善を図っていくことが理想です。

もうひとつの意味は、CVCで万が一トラブルが発生し、係争に発展しそうになった時、必ず基礎的なデータの開示を求められます。年間の実施総数、合併症発生率、個人成績などです。こうしたデータをもしも取っていないとすると、その事故が「過誤のある事故」なのか、「過誤のない事故(=偶発症)」なのかの判断が難しくなります。結果、しっかり安全対策を取っているという主張は通りにくくなることが予想できます。それはとてもまずい状況です。このような対策上の必要性もあるわけです。

佐久医療センターでは、CVカテーテルキットの外袋ひとつひとつに貼り付けた紙の「CVC記録カード」に手書きしてもらい、それを回収して打ち込んでいましたが、その事務作業が非効率的で回収率が徐々に低下したために、電子カルテ上に電子化したテンプレートを入れ込んで記載してもらうシステムに移行しました。電子カルテは現在はNECです。

CVC Implementation record

 

記録の記載の仕方は、CVC実施前にタイムアウトの形で担当看護師と術者でおおよそ入力してもらうようにしています。ほぼチェック方式なので入力する時間は非常に短く、負担はごく軽いと思われます。それでもこうした記録の入力と集計には看護部、医局、事務など多職種協働の活動が必要になります。こうした調整にも多大なエネルギーが必要になります。

実施記録とともに、個人的にはエコーの動画や穿刺時の手元の動画を記録し保存するようにしています。この動画をあとでふり返ることにより、検証や自己研鑽に役立ちますし、研究・教育目的に利用することができる資料となり有用です。

 

 

 

手元の動画は、SONYアクションカムとLEDペンライトをダイソーで買ってきたループタイに固定して、それを首に巻きつけて撮影しています。DIYシステムです。頭にヘッドバンドて固定すると視線の動きと頭が連動するために、画像が大きくぶれて見にくくなるのと、そもそも視線はエコー画面の方向になるため手元を映すことができないので不向きです。そのため首に固定しています。首が苦しくなるのが唯一最大の難点です。

 

 

エコーの動画はSonoSite S-Nerveの内臓ストレージに保存し、USBからエクスポートして保存します。撮像時間が最大60秒なので、60秒以内に穿刺を成功させるタスクが発生します。それで迅速性も養われる効果がはからずも得られます。

 

なお、患者情報の記録・利用の際は、所属施設の倫理規定をご確認ください。