佐久医療センター CVCマニュアルv1.8

佐久医療センター CVCマニュアルは、副院長、診療部長、医療安全管理室長、看護部長室、ICT、診療放射線技師、CVCに関与する主だった診療科医師をメンバーとするCVC管理委員会が作成しました。このマニュアルの内容についていくつか補足します。

CVCには、それに類似した処置がたくさんあって(PICC 挿入、ブラッドアクセスカテーテル挿入、Swan-Ganzカテーテルの際のシース挿入、ECMOなどなど)それらの処置で発生する有害事象もかなりの部分で共通しています。こうした処置を同一の処置とみなして一括的にマニュアルに取り込むこともひとつの考えですが、非常に複雑に場合分けする必要があったり、認定制度もとても入り組んだものになってしまうことが予想されました。そうなるととてもわかりにくいものになってしまいます。そこでこのCVCマニュアルはCVカテーテルを穿刺挿入する手技に限定しました。そしてCVCの処置がその他の多くの類似処置のベースになるように位置づけました。まずこのCVCマニュアルを基本的なポリシーとして理解・実践してもらい、CVC類似処置の標準化は各専門領域にゆだねるという形式になります。

次にCVCの質の担保として認定制度が必要になりますが、CVCをすでに実践している医師とこれからトレーニングする医師、多施設から転籍してくる医師など、医師集団の特性のばらつきが大きいため、最大公約数的な一元的な認定方法が設定できません。これからトレーニングする医師では知識レベルと技術レベルの試験を行って認定することは比較的容易ですが、多くのスタッフ医師に対しては、経歴や経験数を個々に評価して認定することを基本としました。ただ、おおまかな将来的なイメージとしては、CVCはこのサイトで記述したように、必要な知識・技術があまりにも細かく多いので、一般処置ではなく、少数のエキスパートによる専門的処置となっていくべきでしょう。その方向に絞っていくことで、真に質の担保が可能になるはずです。

研修教育のシステム構成は、基本的な手順やシミュレータトレーニングを経て、最終的には患者で実地に研修していくしかありませんが、患者の安全も確保しながらきちんと段階的にプロセスを踏んでいくことが大切でしょう。また、必要時にブラッシュアップする機会を提供できるようにしておくことも大切だと考えます。ちなみに佐久総合病院グループではCVC研修において参照すべきテキストは、この「中心静脈カテーテル法 マスターコース」が標準となっています。当院卒業の研修医も他施設へ移動したあとでも、CVCで困ったり悩んだりした際にはこのサイトを見返していただければと思います。

そのほか標準化したことは、タイムアウト、移動のリスクのある患者以外は血管造影室で実施すること(X線透視下操作)、エコーガイド下穿刺、MBPでの実施、電子カルテに実施記録を記載すること、などです。どの施設でも通用するマニュアルとは言えないと思いますが、また、ベテラン医師になればなるほど受け入れがたい内容であるかもしれませんが、多くのガイドラインや経験を踏まえたうえでの現代のCVC手技の「標準」と考えています。