原因・機序

  • ガイドワイヤー、カテーテルが右房・右室壁・AV nodeに接触し多彩な不整脈を誘発する。
  • もともと左脚ブロックがあった場合、右脚ブロックを併発すると完全右脚ブロックになる場合がある。
  • R on TからVT/puseless VT/VF/Torsades de pointesになることがある。
  • 離断したカテーテルの刺激で誘発される場合がある。
  • ガイドワイヤーを使用したカテーテル交換時に発生することがある。

合併症が発生したことを示す所見

  • 心室細動(VF)、心室頻拍(VT)、無脈性心室頻拍(pulseless VT)、完全房室ブロック、徐脈、左脚ブロック、右脚ブロック、心静止、ウェンケバッハ型房室ブロック、上室性頻拍などがモニター上に現れる。モニター上電気活動があっても脈拍が触知しない状態=PEAとなることがある。
  • 脳血流が低下し意識を消失する。

鑑別・検査

  • 心電図モニター、12誘導心電図

起こりうる臨床経過

  • 心不全、心停止
  • カテーテル断片が右心室・肺動脈に迷入した場合、間欠的な不整脈(心室頻拍など)を生じさせることがある。
  • 不整脈の多くの場合、一過性

対処・拡大防止措置

  • 発生した不整脈の種類に応じて除細動、一時ペーシング、抗不整脈薬などによるリズムの安定化を行う。
  • 心停止となった場合、心肺蘇生を実施する。
  • 循環器内科にコンサルトする。
  • 状態が安定化するまでICUで厳重監視する。

合併症の重篤度

  • 4:死亡する確率は多分10%以下だが死亡する例がある

予防法

  • 連続的生体モニター(心電図モニターなど)装着下でCVCを実施する。
  • ガイドワイヤー・カテーテルは右房より中枢には挿入しない(カテーテル添付文書に記載あり)。
  • ガイドワイヤーのX線透視下操作を推奨。特にPICCのガイドワイヤーとカテーテルは長いため、X線透視下での実施は強く推奨される。
  • カテーテル先端位置は運動により変化するため、カテーテル挿入部位を含む部位の激しい運動は避ける(例;体操、キャッチボール)。

院内準備体制

  • 院内急変対応システムが常時稼働していること。
  • 一時ペーシングが迅速に導入できる体制があること。
  • ICU部門があること。
  • 除細動器準備下でCVCを実施すること。

参考資料

  • ガイドワイヤーにより誘発された心室細動
  • ガイドワイヤーによる傷害で発生した完全房室ブロック