原因・機序

  • Swan-Ganzカテーテル(肺動脈カテーテル)先端で肺動脈を損傷する。
  • 肺動脈カテーテルのウェッジバルーンが肺動脈血管壁を圧損傷するか、肺動脈血流を途絶させる。
  • ウェッジバルーンを脱気したときに、先端が血管壁を突き刺す。
  • ガイドワイヤーが深く入り損傷する。

合併症が発生したことを示す所見

  • 鮮血の喀血、低血圧、低酸素血症、肺動脈カテーテルの位置に一致した肺の浸潤影、血胸、肺血腫、胸部レントゲンで新しい浸潤影、造影CTで血管外漏出または仮性動脈瘤(またはmass)の所見、肺血管造影で血管外漏出の所見

鑑別・検査

  • 胸部X-p、造影CT、肺血管造影、気管支鏡

起こりうる臨床経過

  • 仮性動脈瘤形成、重症呼吸不全、死亡(死亡率50~70%)

対処・拡大防止措置

  • 肺動脈カテーテルをひきもどす。
  • 抗凝固のリバース。
  • 分離肺換気。
  • high PEEP。
  • 損傷側を下側にする体位。
  • 片肺全摘、肺葉切除。
  • 肺動脈の手術的な直接修復。
  • 肺動脈塞栓術。
  • カバードステント(ステントグラフト)による止血。
  • 仮性動脈瘤内にトロンビン注入。

合併症の重篤度

  • 5:死亡する確率が多分10%以上

予防法

  • 抗凝固はリスクを高めるため凝固能は慎重にコントロールする。
  • 60歳以上、女性、肺高血圧、ステロイドの長期内服、過度のバルーン拡張、不適切なカテーテル位置、低体温手術はリスクを高めることを知っておく。
  • ウェッジは慎重に最低限の時間とする。
  • ガイドワイヤーは深く挿入しない

院内準備体制

  • 呼吸・循環管理ができるICUがあること。
  • 迅速に画像診断ができること。
  • 院内急変対応システムが常時稼働していること。

参考資料

  • 術中のS-Gカテーテルによる肺動脈損傷、肺胞出血に対し、肺動脈塞栓術施行、軽快しリハ目的に転院した。